3月のトピックス
婦人科領域の異常出血
妊娠に関連のない出血は結構日常遭遇します。
でもどんな原因の出血でも、すぐにがんと結びつけて、受診される方が多いようです。
今月は比較的頻度が高い異常出血について説明します。

★★異常出血があるときは、できるだけ、出血がある間に受診してください。★★
その方が、出血を起こしている部位や原因が把握し易いのです。


●●部位別 ●●
外  陰 子宮膣部 子宮体部


外  陰

外陰からの出血


全般的な頻度は低いのですが、比較的年配の方に見られます。

一つは尿道口(尿道の出口)のカルンクルからです。

カルンクルとは、小豆大〜大豆大の、ポリープ状の粘膜の盛り上がりで、

その表面からの出血です。

少量のため、下着か排尿時のテイシューに僅かにつく程度です。

痛みは通常ありません。

もう一つは外陰癌です。

これは出血に至るまでに、年単位の長期にわたる外陰部のかゆみが先行します。


膣からの出血

若年者では性交時の傷からの場合がありこれは傷の大きさ・深さに

よって意外に多量のことがあります。

もう一つはやはり比較的年配の方に見られるもので、

頻度は高いのです。これは閉経後には卵巣ホルモンがなくなるために、

萎縮性膣炎といって膣粘膜が萎縮して薄くなり柔軟性が失われ、

粘膜がひび割れしたようになり、少量の出血が起こります。

茶褐色のおりものとして気づく場合もあり、

1週間に1〜2回位、断続的にあります。


子宮膣部

子宮膣部からの出血
特に閉経までの方で頻度が最も高い出血。

いわゆる性交時の接触出血や性交後2〜3日以内の

出血として出現したり、月経前に出現することが多いのです。

また、排便時等のいきんだ時にも出血します。

量は少ないのですが、上記のような場合に再々出現する

ので、本人は子宮頚癌を最も心配して受診されます。

子宮膣部びらんの出血ほどには頻度は高くありませんが、

子宮頚管ポリープからの出血は若い方から閉経後の方まで

幅広い年齢層にみられます。

この出血が出現する時期・出血量は子宮膣部びらんからの

出血と同様のため、やはり癌を心配されて受診される方が

多いのです。

実際の子宮頚癌での出血で受診される方は少数です。

子宮頸部の粘膜は外側に近い部分は厚く、内側は1層で薄いので、内側の粘膜は赤みが強くまるでただれているように見えます。これは、「びらん」とよばれ、病気では有りません。

これは無論この疾患の発生頻度が子宮膣部びらんや子宮頚管ポリープに比べると

非常に低いこともありますが、もう一つには子宮頚癌の初期(0期・Ta期)では、

むしろ出血の頻度は低いからなのです。
(子宮頚癌の進行期については今年1月のトピックスを参照)。

子宮頚癌の初期に出血するとすれば、やはり子宮膣部びらんからの出血と同じような

時期・量です。Tb期以上の子宮頚癌での出血は、再々断続的に出現し、止まりにくく、

量も増えます。

特に高齢者での止まりにくい多量の出血の場合は、

V期以上の進行した子宮頚癌のことがほとんどです。

子宮体部

子宮体部からの出血

ここからの出血も比較的頻度が高いのです。

20歳代後半から閉経前後までの広い年齢層に、生理が済んで数日後から出現する

出血を来たす疾患に子宮内膜増殖症があります。

この出血は生理と同じくらいの量がありますが、腹痛はありません。

その他、子宮筋腫による出血も子宮内膜増殖症と同じくらい多量です

が、下腹部痛もあります。それまでにも、過多月経や鎮痛剤を必要とするほどの

生理痛があります。